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レンガ積みの家のメリット、デメリット

更新日:2024年2月5日



レンガ積みの家のメリットとデメリットについてわかりやすく説明させていただきます。日本国内では、本物のレンガを積んで家を建てられる会社がほとんどありません。そのため建築に携わる職人でさえ、どうやって積んでいるのか興味津々です。この記事がレンガ積みの家を考えている人のお役に立てれば幸いです。

コメント欄にご質問などあれば、お気軽にどうぞ!


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塗替え工事が必要ない

レンガ積みの家の最大のメリットは、外壁の塗替えが必要ないところです。厚さ7センチのレンガ外壁は、経年年化が起こりづらく100年後でもきれいな状態を保ち続けます。



その理由は、自然素材である粘土を成形し、乾燥させ、1150度の窯で1週間かけて焼き上げるため、レンガ表面がセラミック化され水分がしみ込みづらく、無機質なためカビなどの発生が抑えられるからです。

窓周りのコーキングや屋根のルーフィングなどは、30年以上もつ高耐久なものを使用しています。

 










2023年の様子                      2008年の新築時


防音性能に優れている

レンガ外壁は、その重さがモルタルや鉄筋を含めると30坪ほどの住宅で30tにもなります。音は、単位面積あたりの質量が大きいほど(=重いほど)、音響透過損失が大きくなる(=遮音性能が高くなる)法則があるためです。家の中の音も外出さず、外の音も家の中に入れない性質を持っています。ただし、窓や換気扇などから音は出入りしますので、防音が気になる方は、ダクト式給排気やトリプルサッシにするなどすれば、かなり効果があります。

                                                      

交通量がかなりある国道大宮栗橋線沿いに建てたレンガ積みの家の騒音テストデータです。


                    2021年3月に久喜モデルハウスで室内と室外の騒音をiphoneの騒音計でどのくらい静かなのかを計測してみました。

これは、庭に出た室外の騒音です。平均77dBでした。これは、走行中の電車の中より少し静かなくらいです。




















こちらが室内で計測した騒音です。平均52dBという結果が出ました。例えると静かな事務所の中だそうです。体感でも耳を澄ますとやっと外の音が聞こえるくらいです。国道沿い交差点近くですが、外部の音は全く気になりませんでした。

この住宅は、ダクト換気扇とトリプルサッシを使っています。




















火災に強い(耐熱性に優れている)

レンガは、1150度で焼かれて作られているので、住宅火災などの近隣からの飛び火などの類焼にも強いことで知られています。厚さ7センチのレンガ外壁を800度のバーナーで30分あぶり続けても室内側の壁の温度は変化ありませんでした。

西日が当たり続ける真夏の環境でも、冷房負荷がほとんど増えないところも実証済みです。2016年12月に発生した糸魚川の大火災でもレンガの家が燃えずに残りました。



新潟県糸魚川市(市川雄二様撮影)


地震に強い

レンガ外壁は、許容応力度計算(構造計算)を行い必要な引張強度、横揺れなどに必要な鉄筋量を洗いだし、その必要な量よりも多く(安全マージン)入れることで震度7でも耐えうる構造になっています。また、レンガ外壁の内側に木造の構造体があり、約2000ヵ所をタイバンド等で木造の構造体とビスで連結されており、木造の揺れを押さえつけ制震の性質も確認されています。鉄筋鉄骨コンクリート造と同じような揺れ方をするという事です。熊本地震や東日本大震災でもレンガ積みの家は、倒壊していません。

また、レンガは基礎から立ち上げて積み上げるので、木造構造部分に全く重さや負担をかけていません。このことで




台風に強い

レンガ積みの家は、高重量で厚みのあるレンガで家を4方から囲っているので、風にも非常に強さを発揮します。台風などで瞬間最大風速が40mを超えるようなときなど、通常の木造住宅であれば、直接外壁に風力が伝わりミシミシと音を立てるのですが、レンガ積みの家では、レンガが家を守りミシミシとした音は聞かれません。

風速60mの台風にもビクともしなかった煉瓦積みの家

煉瓦積みの家は、石垣島、宮古島、沖縄本島でも着実に棟数を伸ばしています。戦後コンクリート住宅が主流になったのですが、この数年煉瓦積みの家がその強さが実証され少しずつ定着しています。


 


デメリット

レンガ積みに対応できる工務店が少ない

日本全国に私が把握しているだけですが、レンガ積みのできる工務店は20社もありません。なぜかというと、レンガを積める職人も少なく、年間に作れる棟数が限られるため、大手の参入ができないこともその理由だと思います。地震が少ないオーストラリアやアルゼンチンなどの外国では、レンガ積みの家がものすごく多く視察に行ったときは、そのほとんどがレンガ積みの家でした。ただし、鉄筋も入れずに積み上げているので、鉄筋入りで建てているのは、日本だけだと思います。

日本国内でレンガの生産量が少ないけど。。。

日本国内で建てられている多くのレンガは、中国、マレーシア、オーストラリアから輸入されています。20フィートの海上コンテナで数か月かけて輸入されています。為替の影響ももろに受けるため、レンガ価格も安定していないのもデメリットの一つです。

ただし、円安が150円にもなると、日本産のレンガでもあまり価格に差がなくなるので、現在は、広島県から陸送してもらっています。ここのレンガ工場の品質はものすごく良いのと種類やデザインが豊富なことです。私のお気に入りでもあります。価格が一番安いのは、マレーシアレンガですが、納期がルーズで約束した日に輸入できたことがないのがデメリットです。

増築が難しい

レンガ外壁は、四方全ての外壁が鉄筋で連結されモルタルで固められているので、レンガ外壁を壊して増築するとその強度が落ちる可能性があります。もし、増築を希望される場合は、数センチ離して別棟を建てて、エキスパンションを入れて建てることをお勧めします。


 



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