今回も煉瓦積の家の納まりについてお話し致します。
レンガは全て基礎から積み上げるのが理想的ですが、住宅の場合は中々そうもいきません。単純に見える外壁面ですが実は数種類の仕上げ方で構成されているのをご存じでしょうか。
左の写真はレンガの仕上げ方が異なる部分を色分けした画像です。
黄色の部分は窓上の煉瓦積
水色の部分はバルコニーや下屋部分の煉瓦積
緑色の部分はスライスレンガ貼り仕上部分になります。
黄色や水色の部分にレンガを積む時には「リンテル」というL型の補強鋼材が必要になります。その鋼材にレンガを引っかけたり乗っけたりして仕上げていきます。
絵で描くとこんな感じになります。
窓や玄関ポーチの開口部は、上図(左)の様に窓上壁面にリンテルを取り付けて
そこへ欠き込み加工をしたレンガを引っ掛けます。
※注意:窓上のリンテル長さは1間以内の制限があります。
バルコニーや下屋部分は、上図(右)の様に壁面にリンテルを取り付けて
その上にレンガを1段引掛けてから積んでいきます。
緑色部分は主に壁面へ凹凸などのアクセントをつけたりする際にやる貼りレンガ仕上になります。
これはサイディング下地にスライスレンガを貼る施工方法です。
※スライスレンガ:7㎝厚のレンガを2㎝に割いたもの
色々な仕上げ方がありますよね。
地味な部分ですが軒天の納まりや窓下の納まりにもレンガならではの納まりがあります。
木造部分とレンガ積み部分とでは揺れ方が違うので、軒裏に差し込まれるレンガと軒天部分が干渉しない様に施工時隙間を設けています。この隙間はコーキングで塞ぎます。
※軒天を垂木から吊るイレギュラーな下地の組み方(通常は壁にも荷重負担させる)なので、軒の出が大きく垂木サイズが小さかったりすると軒天が重みで下がる事があるので注意が必要です。
窓下のレンガは雨水が溜まらない様に斜めに積みます。
あ、余談ですが窓廻りのレンガが少し出っ張っているの分かります?
これは意匠的なものでして15㎜程度レンガをずらして積んでいます。
段々レンガ積みの家に関して詳しくなってきましたかね?
以上、煉瓦積の家のお話し(その2)でした。
~ 建築部1号 ~
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