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断熱等級7に惑わされない本当に良い家とは?光熱費高騰に負けない家!

更新日:2月5日




電気代の高騰により高気密高断熱住宅がますます見直されている昨今、2022年10月に断熱等級6と7が設置されました。

*国交省の住宅性能表示制度における省エネ性能に係る上位等級の創設から抜粋


国交省が法律で定めている基準ですが、断熱等級7は、無暖房で過ごせ、一次消費エネルギーも40%削減できると書いてありますが、果たして本当でしょうか? この基準にするには、内断熱のほかに付加断熱が不可欠になります。壁の厚みをGW105→210mmにする必要があります。工事費に換算すると標準的な2階建で200万円ほど追加工事等級6から7へ)がかかります。電気代が安くなる分で追加工事分を回収できるようなことが書いてありますが、回収するには200年くらいかかるのではないでしょうか?

少ない費用で効率的に断熱性能を上げるには、壁の断熱は105のままでも、床と天井の断熱を厚くしてあげれば非常に効果があります。リフォームでも効果的です。



UA値(外皮平均熱貫流率)とは、屋根、壁、床を介して住宅全体の熱がどれくらい逃げやすいかを示す数値です。単に一度温めたり冷やしたりした室内の温度変化を少なくするだけのことですから、窓を無くせば数値はよくなります。しかし、それでは、冬の太陽の恩恵を全く受けられません。窓から入る日射を利用することで一時消費エネルギーを削減できるのでUa値だけでは、燃費のいい家とは言い切れないのです。日射を取り入れるには、単板ガラスですが、熱も逃げやすいので、樹脂ペアサッシアルゴンガス入り+断熱Low-eが良いです。トリプルガラスが一見良さそうですが、一次消費エネルギーの計算をしてみるとペアの方が数値はよくなります。ですので、南側の窓のみ、大きいペアにし、その他はトリプルにするのがよく使われる手法です。


使われる断熱材の種類ですが、よくグラスウールはダメという記事を目にしますが、まだそんなこと言っているの?って感じです。グラスウール、ロックウール、セルロースファイバー、硬質ウレタンフォーム、現場発泡ウレタン、押出法ポリスチレンフォーム、EPSなどいろんな種類があってそのどれもメリットデメリットがあります。新築時に温熱計算をすれば、どれでも断熱性能に変わりはありません。理由は、断熱材の種類ではなくて、断熱性能G2以上にすることで住宅を作るからです。
同じ予算で一番断熱性能が高いのは、グラスウールになります。10年後、20年後、30年後でもその性能に劣化が少ないものを選んだとしてもグラスウールはトップクラスです。昔から使われてきたグラスウールは、施工がいい加減であったり薄すぎたりで断熱性能に疑問を持つ方もいると思いますが、今ではその施工法も確立され劣化のない安価な断熱材と言えます。ただ、防音という事を考えるとセルロースファイバーには絶対に勝てません。以下の基準で選ぶといいのではないでしょうか?

基礎、床、壁、天井、屋根に断熱材が使われますが、どの部位に何を使うかというのも断熱材の特性によって色々混ぜて使うのもいい手法です。


*断熱材を選ぶときの基準

  1. 値段

  2. 経年劣化

  3. シロアリ被害

  4. 火災に強くの有害物質を出さない

  5. 防音



また、家中の温度差を無くすには、家の空気を計画的に動かさなくてはいけません。建築基準法では、シックハウス対策として2時間に1回以上家中の空気を入れ替えると決めてありますから、換気扇も第1種熱交換換気にしなければ、熱損失が大きくなります。




*マーベックスのカタログから抜粋

換気には第1種、第2種、第3種があり、給気と排気を機械式で行うのが第1種です。第2種は、給気を機械で排気を自然排気とするものです。第3種は、給気は自然吸気で排気を機械で行います。現在の建物のほとんどが第3種を採用していて、理由は値段が安いという事です。それぞれメリットデメリットはありますが、空気を浄化したり、熱交換をしたりするには第1種換気を選ばなければなりません。また、第1種換気は家中の空気を計画的に入れ替えることができるためショートサーキットや家の中の空気のよどみを作らないこともメリットになります。デメリットは、値段が高いこと(約50万円)ですが、花粉やPM2.5も99%除去してくれるものもあるのでメリットの方が多いです。また、第3種に比べて電気代が年間4万円ほど安くなりますので、12年で元が取れます。



さらに窓や断熱性能をいくら良くしても隙間風が入るようでは、熱はどんどん逃げていきます。ですので、C値(隙間相当)も0.5以下が望ましいです。新築時にC値0.2だとしても10年後、20年後にその数値が保たれているとは限りません。ですので、経年変化の少ないボード気密工法をお勧めします。

*ボード気密工法の施工(当社施工例)


隙間風は、結露の原因ですので、できるだけ作らないようにC値を下げる(0.5~0.2)必要があるのです。ちなみにC値0まで下げると、レンジフードで排気をしたとき室内の空気 の圧力が外の空気より 低い状態になって玄関ドアが開けられないなどの問題が起きますので、差圧給気レジスター(負圧になると自然に外気を取り入れる装置)を設置することが多いです。地域区分6の幸手市などでは、断熱等級6でもエアコン1台で家中温度差のない家を実現できていますので、必ずしも断熱等級7がコスパのよい家とは言えないかと思います。高額な床暖房や全館空調など機械に頼ることなく安価な壁掛けエアコンで温度差のない快適な室内空間を作るには、高断熱化(G2以上)と高気密(C値0.5以下)は絶対条件になります。



家全体を考えるうえで、断熱等級だけを気にするより、その他これらのことがきちんとしているかが重要なのです。他にもメンテナンスがやたらかかる家では、新築時の性能が高くても意味ないですからね。長持ちしてお金のかからない家が最高です。


どの機械設備を採用すればいいかと悩んだ場合は、私は必ず修理費用の安いものを選ぶようにしています。例えばエアコンも全館空調も、10年~15年で壊れます。その時高額な修理代がかかる全館空調(200万以上と言われています)より、エアコン1台で家中温度差のない家であれば、14畳用壁掛けエアコンであれば安価に交換可能です。どちらも部品交換で修理できるのは6年~10年以内とされています。
第1種換気もモーターの交換費用3万円で可能なものを選ぶようにしてください。第1種熱交換換気も天井裏、壁、床下に設置する3タイプありますが、澄家エコのように業者によるメンテがいらないもの、モーターが1台であることであれば、交換修理が安くなります。日頃のお手入れは、外部のフィルター1ヵ所を中性洗剤で洗って干しておけば繰り返し使えますし、フィルターがヘタって交換になっても4000円程度ですみます。メンテナンス性がとてもよいです。ちなみにモーターの設計寿命は10年~15年と言われているので、その時期に3万円程度の修理代を考えておいてください。


コスパがよく光熱費を大幅に下げる方法として、太陽光発電がとても有効です。私の家でも設置して12年目になりますが、晴れた昼間の電気は無料で使えています。6年目に設置費用は回収できているので今でも十分に恩恵を受けています。

*当社施工例



また、お風呂のお湯にも使える太陽光集熱器は、ガス代や電気代を大きく抑えます。

ガス代が8000円から1800円になったという報告もあるほど効果的です。

*株式会社太陽光HPより抜粋


別途費用はかかりますが、暖房にも使えるので、とても注目しているアイテムです。知り合いのガス屋が一番売りたくない商品とも言っていたのも笑えますね。価格は、材工で50万円ほどです。

 


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