立面図の見方のお話し
- 建築部1号
- 2024年10月15日
- 読了時間: 3分
更新日:1月17日
今回は立面図を見る時に注意いただきたい点を幾つかお話ししたいと思います。

立面図の描き方って結構色々あって、設計士さんによってはスタイリッシュに見せられる様に極力細かな部分を描かない場合があります。
でもこれが完成後に問題を招く事がありますので、幾つか注意して見る様にして下さい。
「そもそも気にならない!」方は読まないでOKですからね!!
特に注意いただきたいのは下記の2点です。
①軒先の出
②雨樋のルート
これらはお施主様が理解できる様に図面に記載されている事が意外と少ないです。
例えば下図の右と左で何が違うか分かりますか? 答えは雨樋の有無です。
恐らく全体のスタイルは見るけれど、雨樋まで気にされる方は少ないと思いますので
違いがわからないかもしれません。

雨樋ですが、下図の様に軒先の記載に誤りがある事が多いです。分かりますかね・・

何れの図面も「樋先60cm」の出を示しているのですが、左図には樋が描かれていないので
屋根の出が実際より大きく描かれています。
これが後に意外と問題になる所でして 実際には右図の様に屋根の出が10cm程度小さくなりますので、立面図を見た時のイメージと実際に作られた物が異なってしまいます。

又、左図の様に雨樋の記載がなければ図面上の見栄えは良いのですが、実際は右図の様に雨樋がくることを理解していないと完成時にショックを受けるかもしれません。
出来るだけメインになる面は目立たない様に配置してもらいましょう。

他にも4点確認できると良いかもしれません。
③設備配管・配線など(例:エアコンや太陽光の露出配管・配線・テレビアンテナなど)
④屋根の勾配(例:別途記載します)
⑤地盤の高低差(例:何段上がれば家に入れるのか・近隣宅地盤面との高低差)
⑥各境界線からの離れ(例:壁面から境界線までの実際の有効寸法)
④につては予め知っておいた方が良い事がありますので少しお話ししておきます。
ここ数年ですかねぇ、屋根勾配を 0.5/10 で描く方が増えたのですが ケラバや軒先(屋根の周囲)から水がまわった際に殆ど雨水が流れないので注意が必要です。
※参考:0.5/10(0.5寸)とは 1m進んで5cm下がる。3/10(3寸)とは 1m進んで30cm下がる
3/10より屋根勾配が緩くなると屋根葺き前はルーフィング面などに水が溜まり易く、工事中は屋根を早めに葺かないと雨漏れを起こす事があります。
0.5/10 など緩い勾配で屋根の計画をされる方は、ルーフィング(防水)の施工や種類を工夫してもらい事前に漏水を予防しましょう。


因みに屋根を葺いても 3/10 より緩いと雪は落ちないかな。
洋風な外観には 6/10~ がお薦めですが、屋根足場工事が必要になるので工事費は割高になります。覚えておきましょう! (6寸勾配から屋根工事は結構危険になります)
以上、立面図の見方のお話し でした。
~ 建築部1号 ~
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