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寸、尺は10進法なのになぜ間は6進法?



建築の図面を見ていると、メートル法ではなく尺貫法で書かれているのをよく見ますね。


私も特に気にすることなく1間は1820㎜、半間(3尺)は910㎜と使ってきたのですが、ふと疑問に思ったことがあります。


1寸は3.03㎝で1尺はその10倍の30.3㎝です。でも1間は182㎝で6尺なのです。なぜ10進法じゃないの?と思った次第です。

*ちなみに現代建築では、1間を正確には181.81…㎝ですが、182㎝と決めています。


「座って半畳寝て一畳」の言葉にあるように人間の体からこの単位は決められたそうです。一寸の3.03㎝は指先でちょっとをジェスチャーするくらいの大きさです。

ちなみに「ちょっと」を漢字で書くと一寸になります。


親指と中指を広げて指先間を図るとおおよそ18㎝なので古代中国では1尺としたのですが、時代とともに少しずつ長くなった公尺に対し周代の中国の魯班(ろはん)という名大工がカネ尺を発明し日本に伝わり、その長さを変えることなく2000年もの間、受け継がれてきました。


そして現代のカネ尺の目盛りを30.3㎝と決めたのが伊能忠敬だったそうです。手の形から生まれた尺で人に馴染みやすいサイズだったのです。


また、アメリカで主に使われているフィートも30.48cmで尺の長さに類似しています。そう、足から生まれた単位だそうです。


1間は人の身長からきているようです。建築物は人が使うものですから、日本でもアメリカでも古来の寸法が受け継がれているのが分かりました。


ちなみにメートル法は北極点から赤道までの距離を1000万分の1が1mとなり、現在では「光が真空中で1/299,792,458秒進む距離」という定義になっています。なんだかよくわからない定義ですが、人とは全くかかわりのない決め方だというのはわかります。



人間が最も美しく感じる黄金比、白銀比もよく建築に使われています。

黄金比は、1:1.618であり、横幅と高さがその比率になっているパリの凱旋門やギリシャのパルテノン宮殿、奈良にある唐招提寺金堂なんかが有名ですよね。


白銀比は1:1.414の比率で法隆寺の五重塔、銀閣寺などがあります。第2展望台の高さと全体の高さに白銀比が東京スカイツリーにも使われています。


古代ギリシャから生まれた黄金比や世界中で人が使いやすいと感じる長さの単位など人間の長い歴史の中から生まれ、現代でも生き続けている意味のあるものにとても強く惹かれてしまいました。



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