今回は空間の作り方のお話しを少しだけしようかと思います。
空間の作り方=魅せ方 であり、間取りを作る上で同時に考えた方が良い事になります。
広い家であれば特に細々工夫する必要は無いのかもしれませんが、一般の住宅など広さが限られた空間の場合は、視覚的な工夫で楽しい空間づくりができるのではないかと思います。
幾つか例をあげてみますね。
例えばこれ
玄関を入り正面に敢えて壁を設ける事で
「左右に続く通路があるのではないか」と連想させ
奥行き感を演出できます。
でもこれでは少し閉鎖的ですよね?
そこで正面の壁に小窓を設けてみます。
「奥に何か部屋がある?」といった感じになり閉鎖感を軽減できたのではないでしょうか。
照明付きのニッチでも良いと思います。
左写真の階段も同じ効果です。
ここは遠くから見てもわかる大柄のクロスを壁面にあしらい、腰壁や絵を飾る事で「左右にどんな空間があるのだろう」とい
う期待感を演出しています。
左写真の様に無地の壁だけだと、どことなく期待に薄れませんかね?
次は、部分的に天井を下げる演出です。
例えばこれ
通常2.4m(※弊社の場合)の通路天井をトンネル状に1.95mまで下げ、閉鎖感を出します。
これにより窮屈な空間を抜けた時に解放感をもたらすので、広がりを感じる事に繋がります。
※広い空間でやってもさほど意味はないです
そう、茶室の躙り口みたいな効果です。
勾配天井の場合は奥行や広がりを演出できます。
左の写真は玄関ポーチの天井ですが階段上の天井に緩やかな勾配をつけ、奥行を感じる様にしてあります。
次の写真も勾配天井ですが、天井から壁に繋がる部分を1mのR形状で施工してあるので照明による影ができません。
これにより天井と壁の境界が分からなくなり更に奥行を感じる様になります。
R天井は灯りを綺麗に演出するのに向いています。
Rといえば下がり壁が人気ですよね。
半円でも良いのですが
私の場合はR位置を天井より少し低く配置するので30cmの扁平で設計しています。
← 半円だとこんな感じですかね。
R下がり壁をつくるポイントですが
R部分があまり視線を上に向けなくても視野に入る高さにすると良いと思います。
ちなみに・・
煉瓦の場合はアーチ部分の煉瓦を全て台形に加工しなくてはならないのでかなり手間がかかります。
さて、最後は空間ではないのですが見せ方の一つとして載せておきます。
これは窓に見立てたレンガ壁面のニッチです。
間取りの都合上窓が付けられない時などに、周囲の窓とシンメトリーになる様に作ったりします。
決してレンガを壊したら古い窓があって・・
みたいなホラー的な要素ではありません、w
いかがだったでしょうか、少し参考になる事はありましたか?
色々と魅せ方はありますが、重要なのは比率です。
比率の感覚は人それぞれだと思うので正解は言えませんが、ぱっと見違和感なく見過ごせる(気にならない)周囲とのバランスが良い比率なのだと思います。
現場合わせも良いですが大工さんが可愛そうですので、事前に図面を描き(※正確に描くのがポイント)よくバランスを検討してみるとよいかもしれません。
以上、空間の作り方のお話し でした。
~ 建築部1号 ~
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